ショートショートなら、少なくても文庫本になっている作品ならすべて読んで来た私。
その中で一番好きな作品は何か?・・・
実は、ショートショートでもなければ、長編でもありません (^_^;)
それは、星新一さんの父親の伝記ともいうべき作品で、
『人民は弱し 官吏は強し』です。
星新一さんの父親、星一(はじめ)さんは、星製薬の社長です。
みなさんは、野口英世さんの伝記を読んだことがあるでしょうか?
覚えていますか?
貧乏で金銭に無頓着な野口英世さんに、いつもお金の援助をしてくれていた友人を!
そうです、野口英世の友人が星一さんなのです。
この作品との出会いは、中学3年生の時に友人に勧められてです。
最初は、私は読みたくなかったんです (^_^;)
(公立)高校入試の受験生が、受験に関係ない長編なんて、とんでもない!
しかし、表紙の裏に友人の字で、走り書きされた
「I was very moved !」 ( 非常に感動した!)
に心を動かされて読みました。
10年以上のアメリカ留学から帰国した星一さんが、製薬会社を立ち上げる。
事業は順調だったが、官吏の反感を買い、
いじめに近いような陰湿な圧力をかけられる。
その圧力の中、最後の最後まで、戦った男の話・・・
本当なら怒りに震えるような話を、冷静に星新一さんは書いています。
星新一さんは、この父親の伝記を書きたかったので、
小説家になったのだとさえ思えます。
この作品を読んだ後で、星一さんの留学時代を描いた、
「明治・父・アメリカ」を読むのがお勧めです!
「人民は弱し 官吏は強し」
30年ぶりに読んでみようかな・・・
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