2008年6月5日木曜日

一番好きな作品は・・・

1000編を超えている星新一の作品!

ショートショートなら、少なくても文庫本になっている作品ならすべて読んで来た私。

その中で一番好きな作品は何か?・・・

実は、ショートショートでもなければ、長編でもありません (^_^;)

それは、星新一さんの父親の伝記ともいうべき作品で、

『人民は弱し 官吏は強し』です。

星新一さんの父親、星一(はじめ)さんは、星製薬の社長です。

みなさんは、野口英世さんの伝記を読んだことがあるでしょうか?

覚えていますか?

貧乏で金銭に無頓着な野口英世さんに、いつもお金の援助をしてくれていた友人を!

そうです、野口英世の友人が星一さんなのです。

この作品との出会いは、中学3年生の時に友人に勧められてです。

最初は、私は読みたくなかったんです (^_^;)

(公立)高校入試の受験生が、受験に関係ない長編なんて、とんでもない!

しかし、表紙の裏に友人の字で、走り書きされた

「I was very moved !」 ( 非常に感動した!)

に心を動かされて読みました。

10年以上のアメリカ留学から帰国した星一さんが、製薬会社を立ち上げる。

事業は順調だったが、官吏の反感を買い、

いじめに近いような陰湿な圧力をかけられる。

その圧力の中、最後の最後まで、戦った男の話・・・

本当なら怒りに震えるような話を、冷静に星新一さんは書いています。

星新一さんは、この父親の伝記を書きたかったので、

小説家になったのだとさえ思えます。

この作品を読んだ後で、星一さんの留学時代を描いた、

「明治・父・アメリカ」を読むのがお勧めです!

「人民は弱し 官吏は強し」

30年ぶりに読んでみようかな・・・


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